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産後ケアのNPO法人マドレボニータ オフィシャルブログ

2019年12月18日水曜日

『マドレな人々インタビュー』〜鈴木かおるさん(後編)〜

こんにちは。マドレ☆タイムズ編集部の北澤ちさとです。

今月号の『マドレな人々』は、マドレボニータ正会員の「つじっこ」こと鈴木かおるさん(東京都小平市)。産後ケア花小金井教室の卒業生コミュニティ「ハナコマドレ」発起人でもあります。

今回の【後編】では、2度目の育休から現在に至るまで、どんなふうに過ごし何を見つけたのか?をくわしくお聞きします。とってもエネルギッシュな過ごし方の中に、今育休中の方やこれから新しいことにチャレンジしてみたい方にもヒントが沢山あると思います!

インタビュー前編はこちら『マドレタイムズ』配信申し込みはこちら

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−2度目の産育休に入るとき、何か「テーマ」や「やりたいこと」はありましたか?

テーマ、ありました!
「これからどうする?」とモヤモヤザワザワの中の妊娠だったので、無事の出産、心身の回復を大前提に、気になることに手を伸ばし足を運んで、自分がどんなことに心が動くかを知って、これからのはたらき方、生き方をじっくりと考える期間にしたい、そう考えて臨みました。

まず最初(にして最大?)のチャレンジは産褥期プロジェクト。そもそも産褥期という言葉を知らなかった第1子のとき、当たり前だと思っていた「里帰り出産」が、本当に当たり前なのか?私の望みってなんだっけ?という視点に立ち返り考えてすすめていきました。

私の望みは、これから暮らしていく地域で産み、そこでどんな人たちと一緒に育てていきたいかを考えること。
生後まもなくから夫と時間を共有した子育てをしたいこと。
長男にはできるだけ普段どおり過ごしてもらいたいこと。
産褥期少なくとも1ヶ月は授乳とトイレとごはんとお風呂以外しっかりと横になること。
美味しくてやさしいごはんが食べたいこと。
そして、大人の話し相手が欲しいこと。

こんな気持ちがあるけれど何から始めればよいのかまごまごしていたら、隣町の産褥ヘルプ先輩(マドレボニータ事務局もこちゃん・みほちゃん)が声をかけてくれて相談に来てくださり、私の望みや、どうやったらそれが叶うかをまとめ、Facebookグループを立ち上げて準備することができました。

夫と、どんなスタンスでいてほしいか、私がどんなことを望んでいるかを話し合い、朝の支度や長男の送りと帰宅後のお風呂、産後の無事の報告や、友人たちに来てもらう日の調整をするなど、本来であれば苦手であろう、前に立つ役を担ってくれました。心身ともに負担をかけてしまったけれど、私の希望を尊重してくれたのはとても嬉しかったです。

両親、産後ドゥーラさん、きららさん(小平市の子育て支援NPO)に掃除洗濯ごはん作りなどをお願いし、ファミサポさんやご近所さんに長男のお迎えをお願いしました。そして何より、おにぎりや干し芋をもって話し相手として来てくれた友人たちの存在がどれほど心強かったことか…産褥期明けあたりでは、ZOOM(オンライン会議ツール)でのヘルプもしてもらいました! めちゃくちゃ嬉しかったです。恐れていた産後の隔世感が全く無く、今までと地続きで生活をすることができました。

今思えば、第一子の実家暮らしは、「子どもを産んだわたし」が今までの私と繋がっていなかった感じがします。それは私の主体ではなく、何か、社会にある(ように感じる)誰かの「こうすべき」で動いていたからなのだなと思います。

自分の望みに沿って、色んな手をお借りして「委ねる」を実行して、体現する。その一歩を、それこそ皆さんの協力を得て実現できました。おかげで体を休めながら精神的に健やかに過ごすことができ、このプロジェクトに関わってくださった皆さんに心から感謝しています。

そして産褥期が明けたら、マドレの教室にすごく沢山行きました(笑)。そもそもそれ以前にマタニティケア教室に3回!(第1子の頃知っていたら行きたかったリベンジ)。産後ケア教室はまさかの4回! ボールをおりた後からスタートする数々の企画や挑戦の原動力は、マドレの心身の回復プログラムは勿論、教室で出会った仲間たちのパワーかもしれません。

そのおかげで私の育児休暇中の活動はここから飛躍的に加速しました。
とくに、吉祥寺5月メンバーとは、ベビマ企画を皮切りにしたカップル講座、ハロウィン、クリスマス、卒業式など、パートナーも巻き込みながら楽しみの中で場づくりの実験をした感があります。誰かの「やりたい」に「やろうやろう」と乗ってくるファーストフォロワーが居ること、私自身がファーストフロォワーになることがどれだけ人を後押しするかということ。やっていることは違えど、第1子産後でチャレンジしたNECワーキングマザーサロン東京西チーム同様、「同じ熱量を持つ仲間たちとともにつくりあげていく場」がいかに自分にとって楽しく、必要で、やりたいことなのかが、かなりはっきりしました。これら、チームでの楽しき場づくりが、『ハナコマドレ』誕生と、ワークショップデザイナーの学びへ加速度的に向かっていったきっかけだったのではないかと思います。

−「場づくり」がキーワードなんですね。それぞれ詳しく聞かせてください!
まず、ハナコマドレはどんな「場」なのですか? 活動内容や工夫していることは?

前述の、誰かの「やりたい」に「やろうやろう」と乗る波を、地元で出来ないかな?と、ふと、思いついて、2018年2月に新規開講された地元「花小金井教室」の卒業生交流の場、「ハナコマドレ」を、誰にも相談せずに、2018年10月、急に立ち上げました(笑)。 もともと、私より先に卒業されたメンバーが相互保育でバランスボール講座をやろうとしたりと、コミュニティのさきがけがあったので、同じような想いの方がいるのでは?と勢いでFacebookグループを作成、繋がっていた友人を招待し、タケシさん(竹下浩美インストラクター)を招待して活動に賛同いただき、タケシさんからご参加者へ、クラス終了後のお礼メールでご案内いただけるようになりました。

せっかく地元に教室ができたから、終わってサヨナラだともったいない気がする貧乏根性、地域で何かあったとき声をかけられるつながりができるといいなという想い、そして何より、誰かが、こういうことやってみたい、と言い出せる、プラットフォームになり得る場をつくりたいと思ったのがきっかけです。

平日に集まれるメンバーでのランチ会からスタートし、1周年記念の「踊れるカラダづくり」講座、メンバーによるお昼寝アート、お花見、ワンオペヘルプあらためハナコノナガヤ探究、餃子パーティー、黒板お絵かき×公園遊び、ハロウィン仮装パーティーなど、はじめましてでも、子どもも大人も楽しめるイベントを実施してきました。普段と違う環境で異年齢交流する子どもたちが自分らしさを発揮していく姿も印象的です。また、月1回ZOOMを使った「ハナコマドレ会議」も(テーマを決めたりスキップしつつも)継続開催しています。

とはいえあくまで任意参加の場。どうしてもイベントを企画実施する側・参加する側に分かれてしまったり、リアルに集まれるメンバーが固定化し、新しい卒業生が入ってきづらかったり、そもそもFacebookを使っていなかったり、当初目的としていた「地域で何かあったとき声をかけられるつながり」「誰かがこういうことをやってみたい、と言い出せるプラットフォーム」はなかなか、一朝一夕ではいかないなと感じます。がっつり企画したい、企画まではいかないけど参加はしたい、情報だけ見ていたいなど参加したいカタチにグラデーションをつけるなどして、持続可能なコミュニティにしていければと考えています。

メンバーの提案で、今はLINEグループを作って、卒業生の8割くらいをカバーすることができました。現在は2周年に向けて、2019年度卒業生も企画メンバーに入り、2020年2月22日(土)にダンスイベントを開催予定です! やっぱり我らがタケシ先生の、体を動かすコンテンツが、はじめまして同士でも、皆いちばん集まりやすいのでは、ということで企画をスタート。参加者をオープン化するかどうかもこれから決めていくところですが、詳細が決まったらハナコマドレFacebookページでアナウンスしていきますので、よろしければぜひチェックしてみてください^^(宣伝w

−「ワークショップデザイナー」の勉強もしているのですか?

はい、今回も復職と同時wの2019年5月から、新しいチャレンジとして、青山学院大学社会情報学部のワークショップデザイナー育成プログラム31期に参加しました。

育休中に参加した「育休プチMBA」の参加者グループの書き込みで偶然見かけた「ワークショップデザイナー」という言葉に興味を持ち、その場で検索し、「私がやりたいと思っていたこと、こ、これかもしれない」とブルブルしてその場で説明会(平日夜)を申込み、事後報告で夫と説明会の日の子どものお迎え問題を相談しました(笑)。
そこで定義されていたワークショップデザイナーとは、

「コミュニケーションの場づくりの専門家」として、コミュニケーションを基盤とした参加体験型活動プログラム(ワークショップ)の企画・運営、コーディネートが出来る専門職。

「! それって専門職になりうるのか!」というショックを受けたのを覚えています。

私はずっとコンプレックスを持っていました。
それは、「私には何も無い」というコンプレックス。

特に、目に見える「看護師」「社会保険労務士」のような、「どんな仕事をやっているの?」「●●」だよ、ってイメージを伝えやすい、いわゆる手に職に憧れを持っていたけれど、勉強もバンド活動も仕事も楽に逃げ、それを身につけるような選択をして来なかった自分に嫌悪していました。(今となっては、全て自分の選択だし、それも含めて自分だと受けとめられるんですけどね)。

受講を決めたのは、私にとって自然に好きだと思えることで、「コレをやっているよ」って胸を張って言えることを生み出せるかもしれない、と思ったことでした。もともと感覚的に好きでやっていた身の回りの人とのイベントや、NECワーキングマザーサロンで知った対話型ワークショップの面白さと必要性、また、マドレ同期メンバーとのイベントやハナコマドレの場づくりが相まって、「コミュニケーションの場づくり」を、学問としても体系的に知り、活動や行動に深みや説得力をもたせたいという気持ちがどんどん大きくなりました。また、同年代、とくに母となった女性との関わりが多くなっている今、それと全く異なる年代・性別・価値観の人たちと学びあい、カルチャーショックを受けたいという欲求も沸いています。

受講は一方的に教わる「わかる」「できる」だけでなく、「わかちあう」を大切にする時間。私は初めてと言っていいほど学びを楽しいと感じたし、動画視聴もレポートも辛くなく、全ての授業で眠くならなかったです。

また、受講前の希望どおり、みごとに出自もしごとも大事にしていることもバラバラなメンバーと相互作用を起こしながらさまざまなカリキュラムをともに学びあうことができました。

その中でも特に、実習として短期間で大人向け・子ども向けワークショップをつくる過程をともにしたチームとのやりとりは、とても収穫が大きかったです。ひとつのことへのアプローチに対し、それぞれの価値観や大切にしていることを持ち寄ってアイデアや希望や不安を出し合い、それぞれの違いを「違いがあるね」と受けとめたうえで「じゃあどうしていこうか」を導き出していく過程が、社会そのものだなと思いました。

また、そのなかでそれぞれがどんな役割を担っていたかをフィードバックしあい、皆にもらった「安心感」「壁をつくらない一匹目(最初に動く人・場を動かす人)」という、私をあらわすというキーワードをもっとこれからの強みにしていきたいなと思いました。講座全体が大きなワークショップとしてプログラムデザインされているのだなと気づき、カリキュラムの中で、話す人話す人、ああこういう信念を持ってここにいるのだな、という想いに大いに触発され心を動かされ、自分はどうしていきたいのかを更に深めることができ、とても幸せな時間でした。

誰かの「やりたい」をかたちにしたいし、私の「やりたい」を誰かとつくりあげたい。足りない部分を補いあうだけでなく、今まで自分では気づいていなかったそれぞれの才能と心からやりたい根源的欲求を引き出しあう相互作用を持って。
ここに、確固たる想いで言語化できるほど、チーム志向が明確になりました。

修了後もそれぞれの場をベースにつながり続ける仲間たちと、これからまた面白いことを起こすつもりで動いています。特に「社会的包摂(インクルーシブ)」や、「自分らしさって何?」はテーマになっていきそうです。こちらも、活動が進んできたら、SNSなどで発信して行きたいです。


「マドレ式対話の場づくりラボ」に参加した理由は?
前述のワークショップデザイナー育成プログラムの終盤に、時を同じくして、マドレ式対話の場づくりラボ「夏ラボ」に参加しました。

もともと「NECワーキングマザーサロン(以下WMS)」の運営メンバーをやっていくうちに、「自分はどうありたいか」の対話の場をつくる進行役に興味が出てきて、いつかやってみたいな(でも今は息子の遠足と合宿がかぶるから無理だな)と思っていたらプロジェクトが終了してしまい、どうしようかしらと思っていたところで、クラウドファンディングでのラボ開催。

ラボでは、マドレ式対話の「聴く」の本質をモノにしたかったことや、それをひとりでなく、仲間と探究したいと思ったこと、ワークショップデザイナーの学びを知った今、サロンの場づくりをどう感じるかを知りたくて、参加したいと思いましたが、ワークショップデザイナー講座参加でかなり土日に夫に負担をかけていたので、このタイミングでの参加は難しいなと思っていました。しかし、北海道の会員チームマドレ・オホーツクと関西の会員チームKAMPで開催権を得たことで、次に関東で開催する時期が少し先になり、もう参加できるタイミングではないかもしれないと思い、夫と再度相談し、KAMPメンバーのかおちゃん(マドレ応援団の千葉香緒里さん)にも後押しされて参加ポチ。結果的に、このタイミングで受けられて良かったです。

参加してあらためてわかったのは、進行役の「聴く」とふだんの「聴く」は全く違うということ。ふだんの聴くは自分が主体で、それを聴いて自分がどう感じるかを丁寧に触れていくことを大事にするのだけど、進行役の聴くは、自分の感情を一旦横に置き、相手に軸を置いて、受けとめているのだなと感じました。じっくりと耳を傾け、相槌やオウム返し、要約や問いを投げかけ、相手に安心して話してもらい、相手の中の思考の深まりを促すと言うか。これを対話の間ずっと行っている進行役はすごく集中力が必要だし、「場に起こることをありのままうけとめたい」とか「方向性をある程度コントロールしたい」とか、どんな場をつくりたいかによって、その進行の中で持ち出すことも変わるのだな、と思いました。

そして、ラボの課題のひとつである「自分が進行する場を開催」してみて、感じたことをラボメンバーと共有したり、対話を重ね、私はファシリテーター、進行役をやることにこだわりは無いということも、実感しました。

私がこだわりたいのは、その場に何を起こしたいかの意図を伏線のように張り、それを意図するときどこにどういうしかけを施すのか、誰に進行してもらうのが適切かを考え、場の全体をプログラムすること。そして何が起こったかを記録したり、チームで振り返りをしたりして言語化してまとめ、次につなげていくこと。チームで、やってみたいこと・できること・できないことなど、想いを持ち寄りチームづくりをしていく、という一連の流れが好きだ、ということなのかもしれないな、と気づきました。ファシリテーターが決して嫌なわけではないのですが、どちらかといえばコーディネーターやコミュニティマネジャー志向だということがわかってきました。これは、ここからの自分のありたい姿に影響をあたえる気づきでした。


−その他育休中に注力したこと、やったことなどはありますか?

期間中を通して、ことばの力、言語化することの大切さを体現したくて、
 経験したことを言葉にして、SNSでアウトプットすることを意識的にやりました。

~2018年春 第9期 NECWMS 広報&アンケートメンバー
 産前ぎりぎりに企画と登壇者としても参画した「第9回 NECワーキングマザーサミット」

2018年春~ 第10期 NECWMS 東京西チーム運営メンバー&アンケートメンバー 産褥明けすぐにエントリーシートを書きました。

2018夏~冬 ママイキ主催活動。地元で2017年に実施されたこの講座で出会った仲間と、次は自分たちで実施したい!からスタートしたボランティア活動。母である自身の軸を大切に、子どもとのかかわりの中で、聴くこと、承認することの大切さなどを扱ったコーチングベースの講座なのですが、「知る、学ぶ、わかる」とかではなく、とにかくコーチの、演劇をみているようなライブ感がすごくて、追体験しながら笑って泣くというステージw、を近隣の人に届けたくてチャレンジしました。これは今後機会があれば会社とか小学校とか自治体でもやりたいな…。

2018年夏~長男の習い事スタート、次男をファミサポさんに預けて長男とのふたりの時間をつくることにもチャレンジしました。復職した今も継続しています。

2018年10月~ 次男とおやこ保育園に参加。「今ここ」に集中し、次男との時間を大切にすることを目的に申し込みました。ここですごした時間のおかげで「大人も子どもも、育ちあう」ことは大事だと思うな、探究したいな、という気持ちを継続して持つことになりました。

2018年秋、気になっていた育休プチMBAへ初参加。偶然代表の国保祥子さんの回でラッキーでした。仕事脳を存分に使うケーススタディワークで、あんなに積極的に皆が手を挙げる場は初めて!と思いました。世の中にはこんなに意欲的なひとたちがいる!もっとそれを活かせる社会にしたい!と感じました。

2018年秋 ママボノにチャレンジ。得意を持ち寄るすごくいいチーム! コミットし切れなかった悔しさを残す、実り多き経験。この期間に38.5度が5日間続く、自分史上最も辛い体調不良に見舞われました・・・。

2018秋 念願の金沢・福井旅行。長男の恐竜好きにかこつけて、福井県立共有博物館メインの旅に。ただ、体調不良の余波が残る中だったため、リベンジしたい・・・。

2018冬 WMS10期「育休部」をたちあげ、ここでも皆の「やりたい!」をかたちに、コラージュWSやダンス、おかず持ち寄り復職フェス実施!

2019春 こちらもWMSつながりであるマドレボニータ会員の仲間、ゆりちゃん(貫名ゆりインストラクター)、めぐりん(大森恵さん)、あやこさん(山崎彩子さん)、よっしー(吉江沙織さん)とカップル対象の復職講座企画運営。自身がまさにターゲットだったこともあり、当事者視点で企画運営、そして参加まで楽しみました。

2019春 Madre Bonita DAY2019の企画メンバー。毎週日曜朝のMTGが出来るカラダになり(笑)、展示も張り切りました。

2019春 勢いで札幌・旭川家族旅行。WMSつながりのまみりん(札幌チーム進行役川辺真美子さん)、みきてぃー(広報チーム田中未希さん)にリアルで会えたのも嬉しかったです。全国に会いたい人ができたのもWMSのおかげだし、全国のメンバーと繋がれるプラットフォームの大いなる魅力だと思います。

---ものすごく濃い1年でしたね! マドレつながりでの場がたくさんあったのですね。「ママボノ」というのはどんな活動ですか?


育休中や復職を目指す母が、NPOや地域団体にプロボノとして関わり、社会課題の解決を目指すプロジェクトです。
https://mamabono.org/

WMS8期(2016年)で出会った高宮ゆいちゃんがオブザーバーとして関わっていて、その頃から気になっていた「ママボノ」。第2子を授かった際には是非参加したいと考えていて、満を持して今回参加が叶いました。

今の自分は職場以外の社会の場で何を活かせるかな、を考えたいな、WMS以外のボランティアでの社会貢献活動はどんなものがあるかな、を知りたいと思ったのが、応募のきっかけです。

私は薬王寺町会のプロジェクトに参加したのですが、あつまったメンバーはそれはそれは個性豊かで素敵なひとたちばかりで大変に刺激を受けました(マドレOG多数!笑)。

それぞれの経験や資質を活かして、アイデアを持ち寄り、町の方のインタビューをしたり、全国の類似取り組み成功例の団体へ電話取材して資料にまとめたり、施策を言語化したり、夜中にLINEで対話が続く日があったり、充実の時間でした。

ただ、終盤に、大人になってから初めての激しい体調不良に見舞われ(5日間連続の38.5度超えwith乳幼児)、肝心な日にミーティングや現地での参加ができなかったりと、やりきれなかった悔しさは残っています。

しかし、それは同時に、復職後の自分をイメージするものでした。一生懸命準備してきても当日やむにやまれぬ理由で参加できないリスクは、子どもが増えた分増えているのかもしれない。そんなとき、自分は何を握っていたいか? どこまでを委ね、どこを手放したくないか? 社会課題の解決をサポートするという名目ではありましたが、そんなことを考える機会でもあったと思います。プロジェクト終了後、皆で行った振り返りも、とても味わい深いものでした。つながりを持ち続けて行きたいメンバーと出会えて嬉しいです。

---育休終盤~復職序盤で考えたことと今思うことを教えてください。

様々なことにチャレンジしていくうちに、これから、「やりたい」って思ったら育休中じゃなくても、できる気がするな、と感じました。それは自分をよく知り、自分の心の機微に従ってやりたいことを決めることができるようになってきたからに他ならないです。

実際、2019冬現在、会社の仕事以外に
「東京の西側に対話の文化をつくりたい」
「ひとりひとりの違いを包摂しあえる場づくりがしたい」
「大人も子どもも楽しめる場ってどんなだろう」
「家族でゆっくり過ごすってどういうこと」
「もっと地域社会にコミットしたい」
「各地で行われているマドレ式対話の場を繋ぐプラットフォームをつくりたい」
「SDGsってどうすればいい?」
など、色々な興味を追い続けています。

勝手知ったる「会社での仕事」を、上記のような興味で動く「はたらき」と分けて捉え、日常に身を置いて心身を整理する場と位置づけるようになってきました。これは会社に入りたての頃では考えられない心境です。ただ、現在業務が忙しくなってきて、会社の中でもマルチタスクになり、頭の中が常にとっちらかっていてそれが家庭にも影響が出てしまい(言いたくないのに子どもに「はやく!」を連呼したり、急かしてしまうことが常態化)、少し深呼吸が必要だと感じています。できれば、徐々に、興味で動いている事柄が仕事になるようシフトしていけると良いなと思っています。


---いろいろなお話、ありがとうございました! 次なるチャレンジは何でしょうか?

東京マラソン2020チャリティに参加し、マドレを応援するチャリティランナーとして走ります。
マドレが東京マラソンチャリティの対象に初めて選ばれ、いても立っても居られなくて(笑)。

何故急に運動、とくに生まれてこの方最も苦手な「長距離走」に、40歳で挑むことに自分で笑ってしまいます。自分の特長は自他共に認める「瞬発力」「推進力」だと思っているので、まさか「持久力」に傾くとは、と。少なくとも第1子産後には考えられなかった振り幅です。
でも、走り始めてから、走ること自体は嫌いじゃなかったことに気づきました。
苦手なのは、「速く走れ」と言われること、決められたタイムで走れないと「遅いぞ!」と急き立てられ、責められる学校の中での長距離走だったのでした。

こんなひとでも走り続けられるよ、を体現したいですし、
わたしの背中をびっくりするほど押してくれたマドレとマドレで出会った皆さんに恩返しをしたいです。

そして、やりたいことに一生手を伸ばし続けるために必要な体力を、これからにこそ、つけていきたいと思っています。物理的な体力は、心の体力に繋がる気がしています。あれっ?これって産後ケア教室のプログラムのこと!?笑

今回このようなインタビューの機会をいただき、なかなかできなかった自分の2回の産育休を振り返ることができて、とても嬉しかったです。これから何を大切にしていきたいか、何故そう思うのかの背景、根っこをじっくり振り返ることが出来た気がします。

日々、気持ちは動くし、大切にしたいことも変わっていくと思いますが、折に触れ、どうありたいかを少し立ち止まって考える余白を持ちたいと思いますし、対話の場もつくりながら、ありたい姿を探究し続け、少しずつ進んでいきたいと思います。ありがとうございました。

---こちらこそ、とても密度濃いお話をありがとうございました!

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