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産後ケアのNPO法人マドレボニータ オフィシャルブログ

2013年12月18日水曜日

文化の創造と伝承(【発掘★マドレスピリット】より)

こんにちは!マドレボニータ事務局の北澤ちさとです。

以前もお伝えした通り、先月よりアメリカに転居し新生活を開始しています。
「マドレ☆タイムズ」編集部のミーティングは朝5時から。こちらの時間では
午後3時となり、寝坊の心配がなくなったことにホッとしています!


今回もお届けします『発掘★マドレスピリット(※)』!
このコーナーでは、マドレボニータの“プロフェッショナリズム”について
書かれた過去のブログ記事をご紹介しています。
(※)マドレスピリット
=マドレボニータが設立された当初から一貫して変わらない精神
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NPO法人マドレボニータでは、先日第6回通常総会を開催いたしました。
総会後には、ご参加くださった会員さんと共にワールドカフェを開催し、
マドレボニータの「これから」の姿について意見を交わしました。

10月の新年度にむけ、話し合いを重ね新たに定めた団体のミッションは

【「美しい母」文化の追求】です。
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★マドレボニータの考える「美しい母」とは…

親となったことをきっかけに
自分自身の生き方に向きあい、
人としての真の美しさを
追求しようとする人のこと。


★「美しい母」文化とは…
母となった女性が
健康な心と体を取り戻し、
家庭で、社会で、
自分の持つ力を発揮し、
そのエネルギーが個人の枠を超え、
コミュニティや多世代に開かれ、
循環していくこと。

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今号ご紹介する文章は、前出のミッションにも関わる、
「産後」にまつわる「文化」について語っているこちらの記事です。

『文化の創造と伝承』2008.2.19記(吉岡マコ代表)




産後セルフケアインストラクターの吉田紫磨子先生が執筆し、
その後、私と紫磨子さんでイラスト(という名の落書き)をかきまくった
『産褥期』が完成してから1年半くらいでしょうか。

いつの間にか5版です。(1回の印刷が300冊ですが・・・)

読者の方々のリクエストにお答えして、
陣痛中、産褥期コミュニケーションシートをつけたり、
紫磨子先生がプチ改善を施してくれています。

母親学級の教材に!なんていうリクエストや熱い感想もあいかわらず頂いており、とても嬉しいです。


手前味噌でアレですが、
このような本や、私たちのクラスの存在意義は、
いろいろな理由でいろいろな物の陰に隠れてしまっている「産後」について
本当に必要な知識を伝えるというところにあるとおもいます。

産後のことというのは、
いままで、知識や情報がゆがめられて伝承されてきた、
というのがあります。

そのからくりについては、
『産褥期2in沖縄』をまとめ始めた仲井果菜子先生が、
ご自身のブログでいいことおっしゃってます。


産後は大変…というのは知識と体験としては、程度の差はあれ、みんな知っている。
けれども、それを言葉にして、自分の家族以外の人にわかってもらえるように伝える機会
というのは実はとても少ない。

そうこうしているうちに、赤ちゃんはどんどん成長し、自分も育児に慣れ、
産後の大変さをどんどん忘れていく。

そして産後の修羅場も、
「新米ママと赤ちゃんとダーリンと、大変だったけど楽しかったあの日々」
に記憶が置き換わり・・・(人間の記憶は都合いいようにすり替わるので)。


でも!産後の時期が、どう大変で、どうしんどいのか、
そしてその原因は何で、どうすればそのしんどい心と体を回復させられるのか、
ということは、経験者が自分の経験を振り返り、
自分の言葉で語り、さらに考察していくことで、
未来の産後女性にも継承していかなくてはいけない知識だと思うのです。


みんなが「なかったこと」にして涼しい顔をして通り過ぎてしまったら、
未来の産後女性たちは、「こんなにしんどいのって私だけ?」と孤独感を感じ、
誰にも思いを伝えられず、より苦しみが深くなってしまう。

へそnetブログより


しんどいのは短期間だし・・・といって、何もしないで過ぎてしまう、
という産後を過ごす人は多いとおもいます。
というか、そのしんどさについて、何かするという発想すら思いつかない、
というふうになってしまう。

そのことについて、疑問すらわかないとか。

誰だって自分のカッコ悪い過去はさらしたくない、
そうやって、産後の深刻さは、うやむやにされてきたのです。


でも、
「しんどいのは短期間だし・・・」
で済んだ人はいいですが、
それをこじらせてしまう人だっているし、
それが原因でパートナーとの関係がダメになってしまう人もいるし、

やはり産後の話というのは、
世間話で終わらせてしまってはいけないものだとおもうのです。

「みんな乗り越えてきた」っていうけど、
「Not evrybody」ですよ。(ルー語?)
かならずしも、乗り越えられた人ばかりではない。

それに、乗り越えたというよりは、なんかわけわからないうちに時がすぎた、
というほうがほんとなんじゃないか。


というわけで、「産後」について、
「大変だけど、子どもかわいいから全然がんばれるよ~」
みたいな、つよがりだけではなく(でも、本人はつよがってることにすら気付いてない)
産後をしっかり乗り切るための知恵が伝承されていくよう、
文化をつくっていきたいとおもいます。

産褥期、まだ読んでいない人は、ぜひ!!

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(文責:吉岡マコ)

***ここまで

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【文責:マドレボニータ事務局 北澤ちさと

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