Information

産後ケアのNPO法人マドレボニータ オフィシャルブログ

2014年1月16日木曜日

資格と職業(【発掘★マドレスピリット】より)


こんにちは!マドレボニータ事務局の太田智子です。


『発掘★マドレスピリット(※)』では、マドレボニータのプロフェッショナリズム
について書かれた過去のブログ記事を”発掘”してご紹介しています。
(※)マドレスピリット
 =マドレボニータが設立された当初から一貫して変わらない精神



メルマガ配信後、この記事をSNSでシェアくださったり、感想を書いてくださったり、
その投稿でこの記事をさらに知ってくださる方がいるそんな
循環も起きています。ぜひぜひシェアお願いします★

今号ご紹介するのは、杉並区の「杉並子育て応援券」の事業者選定にまつわる話から始まる、
マドレボニータの産後ヘルスケアプログラムや、それを手渡す
産後セルフケアインストラクターについて書かれた20083月の記事です。

記事のご紹介の前に、少しご説明しますと・・・
「杉並子育て応援券」とは、一時保育、子育て講座、親子参加行事などの
有料の子育て支援サービスに利用できるチケットを、
就学前のお子さんがいる家庭に行政が発行し、
サービスを利用しやすくすることで地域の子育てを支援するもの。

つまり、杉並区では公による産後ケアが受けられる、税金が投入されているということで、
大変先進的な事例です。

事業者に選ばれるには、杉並区が定めた「こうあって欲しい」
と考える子育て支援サービスであるかという基準がありますが、
この制度の立上げにも関わらせていただいた私たちは、
この制度の意義深さを受け止め、その責任を果たすべく、
団体の組織運営もプログラムも、精度を高めてきました。

では、当時の記事をぜひご覧ください!

『資格と職業』2008.3.16記(吉岡マコ代表)

13日に行われたすぎなみ子育て応援券・利用者アンケート報告会で、

杉並区の田中氏、山本氏のお話をうかがって、

子育て応援券の制度は、
市民の力を信じ、活かそうとする、すごく洗練された制度だと感じた。

事業者の選定にも、確固たる基準を設けており、
それが、ガチガチの融通のきかないものではなく、
要するに、「お母さん」「子ども」たちのためになるか、
という視点でフレキシブルに工夫されている。

たとえば、美容院でのヘアカット料金には子育て応援券は使えないが、
その美容院が「お母さん」たちを集めて、
「子どものヘアカット教室」を開催したら、その参加費は子育て応援券が使える、という。
そこにお母さんたちの輪が生まれるからだ、とのこと。



そうやって、新たな子育て支援のサービスが生まれる

という効果も生んでいるそうだ。

そのほか、「お母さんの特技を活かして」事業者になる、というのも奨励しているそうだ。

「お母さんのデビュー」のきっかけとして、子育て応援券を活用してほしい、という。
母親たちを支援の受けてにさせない、母親たちの力を信じ、活用する、

お役所的でない、「攻めの施策」だなぁと感銘をうけた。

ただ、私たちは、「お母さんのデビュー」という段階は卒業して、
このプログラムを参加者が受講するために、
当事者以外の血税が使われているのだ、
ということを忘れずに、このプログラムの効果、有効性の証明、質の保障に、
より意識的に取り組む、という覚悟でやっている。


そのために、インストラクターの認定制度をつくり、
認定インストラクターが絶え間なく腕をあげていけるような、
サポート体制をつくり、その運営の器として
NPO法人をつくった。

また、「お母さんの輪」が生まれたときに、そこで、何が起こるか、
ということまで考えて、プログラムを構成している。


10年かけて鍛え上げてきたこのプログラムは、
お母さんの娯楽ではなく、
母となった女性に最低限必要な、ヘルスケアプログラムであり、
その内容を、受け取りやすいかたちに構成し、
その内容を、受け取ってもらえるよう、
インストラクターたちもそれを手渡すための訓練をうけている。

そして、やっていくうちに、これは、一部の人たちだけでなく、
母となったすべての人たちが取り組んでおいたほうがよいプログラムだということを、
たくさんの受講生から助言いただき、私たちも、それを自覚し続けてきた。

つまり、産後のヘルスケアは、自己責任ではなく、
社会の問題であり、社会全体で支援するべきだと。
それが一部実現したのが、すぎなみ子育て応援券の施策でもあったのだ。

しかし、そうなると、繰り返しになるが、受講する女性たちだけでなく、
税金を払うすべての市民に対しての責任が生じる。


それを果たしていくために、
NPO法人という器をつくり、その運営の透明性を保証し、
インストラクターの認定制度をつくり、インストラクターの報告書の仕組みをつくり、
年に一回、総会でその成果を発表することにした。

こういうことは、役所に言われてからやるのではなく、市民の側から自発的にやっていく、
というのも、NPOの役割なのではないかとおもう。

最後に、産後セルフケアインストラクターと産後白書プロジェクトのメンバーで記念撮影をさせていただいた。

「市民」が担う「公」、私たちもがんばります!



そんなわけで、
産後セルフケアインストラクターというのは、娯楽ではなく、
上記のようなミッションを遂行する産後のプロフェッショナルです。


「産後」の資格もあるなら、「産後」のもついでに資格をとっておこう、
という心構えでは、産後セルフケアインストラクターになれない、
ということはご承知置きください。

いま、趣味の分野では、そういう「認定」を出す団体が沢山ありますが
私たちは、ただ認定を出すだけでなく、
その後も、認定インストラクターが、日本の産後文化を豊かにする担い手として、

産後セルフケアインストラクターの活動を誇りをもってやっていただく、
というところまで、重視しています。

「資格」ではなく、「職業」なのです。
そのくらいの、知識と技術を身につけた人にのみ、認定を授与していますし、
認定インストラクターのコミュニティも、
ひとりひとりが、産後セルフケアインストラクターという「職業人」として、

かかわっています。



ちょっと暑苦しいですが、
このしらけた時代に、熱くがんばる人たちが集まったマドレボニータは、
なかなか面白いとおもってます。
そんな暑苦しいなかに飛び込む覚悟のあるかた、
歓迎します☆

***ここまで


【文責:マドレボニータ事務局 太田智子】

***********************************************************************
5/31(土)まで、READY FOR?でクラウドファンディングにチャレンジ中!
「出産後の母親のリアルを伝える本をつくりたい!」
『産褥記3』制作費へのご寄付と情報シェアへのご協力をお願いいたします

出産後1ヶ月間の「産褥期(さんじょくき)」は、特に養生が必要な時期。
しかしこの時期の母親は心身のダメージを受けながらも新生児の世話に追われています。
不調や周囲からの孤立は、産後うつや児童虐待の原因となることも…。
『産褥記3』は出産後の心身の不調やその対処法・予防法といった具体的な情報を含め、
産後の母親の現状を広く伝える1冊にしたいと考えています。
『産褥記3』を一人でも多くの産後女性やパートナー、出産後の母支えたいと思っている方々に
お届けできるよう、寄付、そして情報のシェアへのご協力をよろしくお願いいたします。
***********************************************************************